ブダペストから139km離れているエゲル市は、赤ワインで有名な町として知られていますが、エゲル城のためにここへ訪れる観光客も多いようです。
16世紀にハンガリーに攻撃して来たオスマン・トルコ軍の北上は、ちょうどこの城での抵抗で止まりました。トルコ軍は4万人以上、城を防衛した兵士は約2300人でした。トルコ側にカノン砲が140台あり、ハンガリー側には24台しかなかったと伝えられています。
このような多勢に無勢の状況でしたが、ハンガリー軍はドボー・イシュトヴァーン将軍の指揮の下、カノン砲を上手く使い、勇敢に戦いました。長期の籠城によって、食料や武器が不足し、降参するだろうというトルコ軍の予想に反したことが、あたかも神の仕業だとみなされ、到底神には立ち向かえないと判断したトルコ軍は戦いを諦めたと言われています。
19世紀の作家、ガールドニ・ゲーザがこの事について書いた小説「エゲルの星」は、ハンガリー人にとってヘロイズムの模範となりました。この本は小学6年生の必読書となっています。この小説は1968年に映画化され、50年経った現在までに900万人の人々が見たといわれています。(ハンガリー人口は970万人です。)
https://youtu.be/yTk6t4zgyjk
映画「エゲルの星」。ドボー将軍の役割を演じたシンコヴィチ・イムレ
イギリス女王のヴィルトゥオーソ」、レメーニ・エデ
(写真:ウィキペディア)